ロスカットという言葉はFXを始めようとしている人なら聞いたことがあると思います。

「強制的に損を確定されちゃう仕組み」と思ってる人もいるのではないでしょうか?

実はロスカットは、FX取引を行う人が許容範囲を超えて損失を被るのを防ぐための安全策なのです。

同じように利用者を守る安全策で、マージンコールというのもあるので、ロスカットといっしょにおさらいしましょう。

ロスカットとは

ロスカットはざっくりいうと、「評価損が大きくなり、証拠金維持率がある水準よりも少なくなると、強制的に決済される仕組み」です。

1つ1つ言葉の意味を整理しながら詳しく見ていきましょう。

証拠金とは

「証拠金」とは私たちがFX口座に預けているお金のことです。

そもそも「証拠金」とは「担保金」と同じような意味で、「もし損が出た時にこのお金から払いますよ」というお金を、担保としてあらかじめ入金しておくわけです。

なぜそんな言葉を使うのか?そのためにはFX取引の基本的なポイントがわかると納得できると思います。

一旦FX取引から離れて、ハワイに海外旅行に行く時を考えてみましょう。

旅行に行く前に10万円をドルにかえたいとします。1ドル=100円なら、10万円が手元からなくなり、1,000ドルを入手できますね。
この後、不測の事態で旅行がキャンセルになってしまいました。

1,000ドルは不要なので、1,000ドルを払い10万円を入手しますね。(手数料等無視してます)

この例では、実際に日本円が手元からなくなり、ドルになって、戻す時は逆に手元のドルにを円に替えてます。
実際に現金が動くので「現物取引」と言われます。

ですが、FX取引は現金は動きません。1億円を持ってないのに、1億円に相当するドルを買うことができます。これは後で売る前提だからできるのです。

また、ドルを持ってないのに、はじめからドルを売ることもできます。もちろん後で買い戻す前提です。

このように、FX取引は後で反対の取引(買ったなら後で売る)をして決済する前提であり、決済して差額が決まった時にはじめて差額分の現金が動きます。

差額が出た結果プラスになればいいですが、マイナスになったら取引をした人が責任を持って払わないといけませんね。その分をあらかじめ入金して、そのお金を証拠金と言うわけです。

つまり「証拠金とは損が出た時のためにあらかじめ用意しておくお金」と言えます。

FX会社から見ると、証拠金の分だけあなたを信用して取引させることができる、ということです。

ちなみに先ほどの現物取引に対して、このように証拠金を用意して差額分のお金が動く取引を「証拠金取引」と言います。

証拠金が不足するとロスカットされる

さて、証拠金がどういった位置づけのお金かわかったところで、お待ちかねロスカットについて勉強しましょう。

ロスカットの考え方はこのような考え方です。

  • 「いっぱい証拠金を用意している人はちょっとやそこらの損でも証拠金から払えるから、なかなかロスカットされない」
  • 「ちょっとしか証拠金がない人は、少しの損でも証拠金で払えなくなるから、ロスカットされやすい」

言い換えると、「ロスカットは、許容できる範囲を超えて損をしないようにする仕組み」です。

この「許容できる範囲」の計算に証拠金を使います。実際の計算方法をみてみましょう。

ロスカットの計算式

「許容できる範囲」の計算では証拠金維持率を使っています。

証拠金維持率(%) = 評価証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100

この証拠金維持率がある水準(例:50%)を下回った時にロスカットが発生します。

必要証拠金とは

必要証拠金は、今持っているポジションの量で決まる金額で、このように計算されます。

必要証拠金 = ポジションを持った時の為替レート × 取引通貨数 ÷ レバレッジ

ドル円の例を使って計算してみましょう。

為替レート = 100円/ドル
取引通貨数 = 10,000ドル
レバレッジ = 25倍

必要証拠金 = 100 × 10,000 ÷ 25 = 40,000 円

となります。

評価証拠金とは

証拠金は、私たちがFX口座に預けているお金でしたね。

評価証拠金とは、今持っているFXを決済した場合に手元に残る証拠金です。

今の為替レートを使ってポジションを評価して計算するので、評価証拠金と言います。

評価証拠金の計算方法は、証拠金に今保有中のポジションの評価損益を加減します。

評価証拠金 = 証拠金 +(−) 評価損益
※利益が出てるなら+、損なら−

例で見てみましょう。

1. 100,000円を証拠金としてFX口座に入金した
2. 次にドルを買った

為替レート: 100
取引通貨量: 10,000
レバレッジ: 25倍

3. 翌日為替レートが上がった

為替レート: 100→101
評価損益: (101-100)×10,000=10,000円
評価証拠金: 証拠金+評価損益 = 100,000 + 10,000 = 110,000

4. 翌々日為替レートが下がった

為替レート: 100→99
評価損益: (99-100)×10,000=-10,000円
評価証拠金: 証拠金+評価損益 = 100,000 − 10,000 = 90,000

このように、評価証拠金はポジションと為替レートの変動に合わせて変化します。
実際は為替レートは時々刻々と変わっているため、評価証拠金も時々刻々と変わります。

ロスカットの計算をしてみよう

ロスカットは評価証拠金維持率がある水準よりも下がると発生します。

「ある水準」はFX会社によってちがいますが、50%としているところが多いです。

実際に計算してみましょう。

計算式

証拠金維持率(%) = (証拠金 + 評価損益) ÷ 必要証拠金 × 100
評価損益 = 売買フラグ※ × (今のレート ー 取引時のレート) × 取引数量
必要証拠金 = 取引時のレート × 数量 ÷ レバレッジ

※売りなら-1、買いなら1

マージンコール

ロスカットに似たもので、マージンコールと言う仕組みがあります。

マージンコールとは追加証拠金(略して「追証-おいしょう」)とも呼ばれ、証拠金維持率が一定割合を下回ると、証拠金不足を「警告」してくれる仕組みです。

ロスカットはいきなり強制決済されるのに対し、マージンコールは警告ですので、ロスカットよりも判断基準はゆるいです。

例えば、多くのFX会社では、証拠金維持率が100パーセントを下回るとマージンコールが発生します。

マージンコールが発生したら、証拠金維持率が100%になるように、追加で証拠金を入れるか、ポジションを決済しなければなりません。

つまり、証拠金は余裕を持って入れておかないとすぐにマージンコールがかかってしまうんですね。

証拠金をギリギリでしか入れてないと、すぐにマージンコールがかかるんですね。